2013年度 タブレット端末市場に関する需要動向調査

データ販売無し

■ 2012年度のタブレット端末市場は489 万台、2016年度には1,000 万台市場へ成長
■ 2012年度のiPad 国内出荷台数は260 万台、iPad の市場シェアは53%
■ 世界のタブレット端末市場は2012年に1 億2,487 万台、2016年に3 億台を突破
■ タブレット端末の中心は10 インチから7 インチに、今後はさらに形状の多様化も

 株式会社 ICT総研 (東京都千代田区)は4 月25 日、タブレット端末市場に関する調査結果をまとめた。

■ 2012年度のタブレット端末市場は489 万台、2013 年度は638 万台へ

 2010 年のiPad の登場以降、利用者が急増した国内タブレット端末市場は、2011 年にiPad2 が大ヒットし
たことに加えてAndroid タブレットも普及した結果、276 万台が出荷された。2012 年度は、iPad mini、Nexus7、
Kindle Fire、Windows タブレットなどのラインナップが出揃ったことでさらに増加し、489 万台の出荷となった。
スマートフォンと同様にタッチパネル方式のユーザーインターフェースが多くのユーザーに受け入れられ、
今後も市場規模は順調に拡大していく見込みだ。
 日本国内市場における半期ごとの推移を見ると、2011 年度上期(2011 年4 月~9 月)に118 万台だった
市場が、その後158 万台、188 万台、301 万台へと増加を続けている。その結果、2011 年度(2011 年4 月
~2012 年3 月)の端末市場規模は276 万台、2012 年度は77%増の489 万台へと成長した。

 特に2012 年度下期は、前年同期比90%増と急成長している。その主な要因は、2012 年度下期に、iPad
mini、Nexus7、Kindle Fire HD といった7 インチクラスのタブレット端末が相次いで発売されたことにある。10
インチクラスのタブレットは自宅など屋内利用が中心だったが、持ち運びやすい7 インチクラスのタブレット
が外出先での利用という新たな市場を開拓したと言える。

■ 2012年度のiPad 国内販売台数は260 万台、市場シェアは53%

 タブレット端末の市場拡大を牽引してきたアップルのiPad は、2012 年度に前年度比43%増の260 万台
を出荷したものの、市場全体が76%増加したため、出荷台数シェアは66%から53%に下落した。2013 年
度は、Android タブレットやWindows タブレットのニーズが高まるため、シェアは5 割を切るものと予想され
る。
 2012 年度はAndroid タブレットが、前年度の86 万台から194 万台へと出荷台数を2 倍に伸ばし、シェア
も40%に達した。Google のNexus7 やAmazon のKindle Fire HD といった海外で大ヒットした端末が日本
国内でも発売されるようになり、Android タブレットのシェアを一気に押し上げた。
 また、2012 年度はWindows タブレットの商品化が相次ぎ、第三のOS としての存在感を増している。主力
端末の本格的な出荷が2012 年度下期以降だったこともあり、2012 年度の出荷台数は35 万台、シェア7%
にとどまったが、2013 年度には10%のシェアを獲得する見込みだ。
 今後も国内タブレット端末市場は、引き続き成長を遂げる見通しで、2016 年度には1,000 万台を超える
出荷台数となるだろう。

■ 世界のタブレット端末市場は2012年に1 億2,487 万台、2016年に3 億台を突破

 世界のタブレット端末市場は、2011 年(2011 年1 月~12 月)に6,236 万台だったが、2012 年は2 倍の1
億2,487 万台へと急成長を遂げた。そのうち、iPad は6,585 万台でシェア53%を占めた。一方、Android タ
ブレットはiPad の伸び率を上回る勢いで出荷台数を伸ばし、2012 年は5,467 万台、シェアも44%へと急伸
した。今後も、多くの有力ベンダーから新製品が出荷される見通しで、端末価格も安いことから2014 年には
iPad のシェアを上回ると予想される。
 第三のOS として期待されるWindows タブレットも、今後出荷台数を伸ばしていくことは確実で、2015 年
には10%のシェアを獲得する見込みだ。
タブレット端末は、ノートPC やスマートフォンを補完する機能や、従来のパソコンになかった使いやすい
インタフェースを備えており、キーボードに慣れていない子供や高齢者にも浸透しつつある。したがって、
世界における市場規模は順調に成長を続け、2016 年には3 億台を超える見込みである。

■ タブレット端末の中心は10 インチから7 インチクラスへ、今後はサイズ・形状も多様化

 2012年度の国内タブレット端末出荷台数は489 万台だが、このうち9~10 インチサイズの出荷台数は
62%を占める。しかし、2012年度の下期以降、アップルのiPad mini、Google のNexus7、Amazon のKindle
Fire HD など、比較的安価な7 インチタイプの商品が続々と発売され、6~8 インチサイズのタブレット端末
が多く利用されるようになった。2013 年度もその傾向は続き、今年度は6~8 インチサイズのタブレット端末
が全体の58%を占めることになりそうだ。
 また、5 インチクラスのスマートフォンとタブレット端末の境界線も曖昧なものとなる可能性があり、今後は6
インチ未満のWiFi モデルタブレットなども商品化されるだろう。また、10 インチを超える大型タブレットや2
画面タブレットのニーズも増加し、サイズや形状の多様化がさらに進んでいくことになりそうだ。

【本資料における用語の定義】
* タブレット端末: タッチスクリーン入力の可能な6〜11インチ程度のディスプレイを備えたスレート型情報通信端末。アプリ等の利用が出来ない電子書籍専用端末は含まない。
* iPad: 初代iPad、iPad2、新型iPad、iPad mini及び今後発売が見込まれる同シリーズの商品群。
* 出荷台数: ユーザーからの予約や販売契約に基づきメーカーから工場出荷されたもの。流通在庫分を含む。

【本資料の調査結果・推計データについて】
* 本資料における全ての文章、数値、表、グラフデータは、ICT総研スタッフによる取材やアンケート調査、各種文献等を元に当社アナリストが記述・推計したものであり、当該企業や公的機関等の公表値と異なる場合がある。
* 本資料における全ての文章、数値、表、グラフデータは、資料公開時点のものであり、その後の市場環境等の変化や新たな分析に基づき予測データ等を予告なく変更する場合がある。

この記事をSNSシェア

REPORT
関連レポート